人間の尊厳とは。結城美帆子

昨日、病院に母を見舞いに行った時のことです。いつもは「おにぎり持ってきて」とか、「帰りたい」とか、私が帰ろうとすると「帰らないで、置いて行かないで」と言うのですが、昨日は言いませんでした。表情も無表情で、すべてを諦めたような感じに思えました。自分の体が日に日に衰えていくのですから、辛いと思います。人間は、自分がいつ死ぬかわからないから生きていられる、病院でも耐えられると言うこともあると思うのです。尿道にはバルーンを入れられ、オムツをされ、死にたくもなるでしょう。私は耐えられない。そこまでされてまで生きていたくない。清く、正しく、美しく、この世を立ち去りたい。私は、母に何をしてあげることができるのだろうか?何をしてあげれば良いのであろうか?「辛いことも苦しいこともあったけれど、生まれてきて良かった、生きてきて良かった、娘を産んで良かった。」と、思って死んで欲しいのです。